クレヨンあれこれ3★mizuiroおやさいクレヨン・おこめのクレヨン
クレヨンあれこれも3回目となります。
今日は原料に米油を使っている、mizuiro株式会社さんの「おやさいクレヨン」と「おこめのクレヨン」をご紹介します。
昨年、たまたま「ガイアの夜明け」の番組でおやさいクレヨン開発の特集を見たのがきっかけで、興味を持ったクレヨンです。
開発された方は青森のデザイナーの方で、mizuiroという会社を立ち上げられました。
自身の子育ての中から、お子さんに安全なクレヨンを…と、廃棄される野菜で色を作れないか思いつき、クレヨン工場とのやりとりなど開発に奮闘される様子から、これは欲しい!!と思って、買ってみました。
色名も野菜の名前がそのままつけられていて、クレヨンなのに「青系がない」という、今までにない色展開。
私が購入したのは、version2。そして、扱う野菜や果物も変わり、本のように立てかけられるようなパッケージへと変更、version4まで発売されました。今はこれまでの中からの人気色を集めたstandardも販売されています。トウモロコシやカシスなど、version2ではなかった色も含まれています。
実は…最近になりますが、このおやさいクレヨンの製造は先日ご紹介した「とういちクレヨン」の東一文具さんと知り、またまたビックリ!
オートメーション化された機械ではできないからこそ、野菜の色が表現できたのですね。
おやさいクレヨン、原料はシンプル!
米油(これも廃棄される糠からとったもの)と野菜の粉末、そしてほんの少しの顔料。
この顔料も食品に使われるものなので、安全性に配慮されています。
クレヨンからその野菜や果物のことを思い浮かべたり、実際のものと比べてみたり。親子で会話しながら色遊びをするのも楽しいひととき。そんな親子の「時間」をデザインしたいという思いが、mizuiroさんの商品に込められています。
これは、version2の色展開ですが、発色は他のクレヨンに比べて薄いです。でも野菜からもらった色は、なんとも言えない優しさがあります。野菜のにおいは・・・?しないかな。
塗り心地は、ざらざら。少し紙との摩擦を感じ、粉も出ますが、私はこれが面白いところだなぁと思っています。
鮮やかな色がついて、なめらかに塗れるクレヨンが多く、その描き心地に慣れてしまっているこどもたちからすると、物足りないかもしれません。実際、ワークショップでも「色が薄い」「粉が出る」など、いつものクレヨンとは違った感触を味わってもらいました。
匂ってみたり、粉を触ってみたりするお子さんも!
このクレヨンも力強く塗ったり、重ねることで、ツルツルした感触になったり、深い色に変わっていきます。
異質なものを体感することで、わかる。工夫する。
そういった小さな発想の積み重ね。これからもたくさん経験してほしいなぁと思います。
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そして、お次は「おこめのクレヨン」。こちらも米油からできていますが、「日本の伝統色」をテーマにした色展開となっています。
プロ用の画材道具には様々な伝統色名のものがありますが、こどもも対象とした商品としては、初めてなのではないでしょうか。
というのも、mizuiroさんとターナー色彩さんのコラボで生まれたクレヨン。
ターナー色彩さんといえば、学校教材から芸術家の方まで使われる画材をつくられている、色のプロフェッショナル。今では、色彩力は豊かな「感性」と「環境」を育むということで、色彩教育プログラムも実施されています。
「おこめのクレヨン」で使われている顔料ですが、玩具の安全に関する欧州規格に適合した、有機顔料と無機顔料を使用。ターナー色彩「アクリルガッシュ ジャパネクスカラー」から、色彩の基本の16色に近い色が選ばれています。
クレヨンの箱の中には、このような色の解説書も入っていて、大人も興味津々!
色に興味を持つきっかけ作りにもなっているのですね。こういうところ、大好きです。
※画像はmizuiro webページよりお借りしました
「棕櫚色ってどんな色?」「たわしの色だよ~」
「砥の粉色って、肌色みたい!」
「藍鼠はちょっと青っぽい灰色やね~」などなど会話も交えながら、色に関する着眼点も広がりそうですね。
さてさて、触ってみると、おやさいクレヨンのロウのような硬さとは違い、油分が多めでやわらかいクレヨン。描き心地はなめらかでマットな質感です。
普段使うクレヨンと似ている感触なので、塗り重ねると濁りもありますが、汚い色ではなく、厚み・深みが増していきますね。
実は娘は、いちばん「おこめのクレヨン」が好きなようです。
今までのクレヨンではなかったようなパステル調の淡水色(うすみずいろ)、紅梅色のちょっと黄みがかったピンク、淡い黄色の黄蘗色(きはだいろ)、藤紫という組み合わせがカワイイ!とよく使っています。
自分だけのお気に入りの組み合わせを見つけるのも楽しいですよね。
ワークショップで木をつくってくれたお子さん、「おやさいクレヨン」と「おこめのクレヨン」を気に入り、2種類を組み合わせてくれました。これは途中ですが、まるで花火のような木でとても面白いなぁと思いました!
鮮やかなものばかりではなく、いつもと違ったくすんだ色や渋い色があることで、表現できる色はぐっと増えます。
赤+青=紫といっても、実際は白っぽい紫、黒っぽい紫、ピンクっぽい紫…いろいろあります。「〇〇な紫」を感じることができたら、見える・気づく・表すことができる色の世界はもっと豊かなものになるんじゃないかな~と思っています。
たくさん色があると、ワクワクしますね!
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mizuiro株式会社 http://mizuiroinc.com/
ターナー色彩株式会社 http://turner.co.jp/
おやさいクレヨン standard 10色 2160円(税込)
おこめのクレヨン 16色 2484円(税込)
パッケージもとてもかわいくて、プレゼントにもよさそうですよ☆
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