素材へのこだわり ー糸と封筒ー
ワークショップ、いよいよ明日になりました。
お天気が少し心配ですが、何とかもってほしいなぁと思います。
さて、今回は吊るすための糸、持って帰っていただくための袋という『脇役』へのこだわりです。
たかが糸、されど糸。本来は、吊るすことができるなら、どんな糸でもいいのです。しかし、惑星の色合いを邪魔することなく、それでいて穏やかに主張をする。そんな糸がないかと探してみました。
そこで見つけたのが、「ガラ紡の糸」。明治28年創業の「木玉毛織株式会社」という愛知県一宮市にあるメーカーさんです。kitamaのブランド名で、ガラ紡の糸やそれらで作った製品を販売しておられます。
3年以上農薬・化学肥料を使っていない農場で、自然のサイクルに逆らわずに、環境にやさしく育てられた綿=オーガニックコットンの中でも、廃棄処分になることが多い「落ちわた」を再利用して作られている、地球にも優しい糸なのです。
「ガラ紡」というのは、明治初期に考案された日本独自の紡績機なのですが、ガラガラガラ…と大きな音を立てて、ゆっくりと糸を紡ぐことから、このような名前になったとか。今は時代も変わり、大量生産の波に呑まれて衰退してしまい、現在では全国で2~3件しか動いていないとのこと。
もともとは、繊維会社であった、メーカーさん。何とかこの「ガラ紡」を残していこうと、十数年前からは、ガラ紡製品に全力を傾けておられます。このガラ紡の素晴らしい技術を伝えるとともに、オーガニックコットンを「流行りもの」ではなく「当たり前のもの」にし、顔の見えるものづくりを。という考え方に、とても共感しました。
つくりだすものに誇りを持ち、丁寧に、物事の背景を伝えておられるメーカーさん。ぜひこれからの日本に伝えていっていただきたいなと思いました。
さて、今回使うのは、単糸を2本撚ってあるので、しっかりしていて紐という感じです。落ち綿をゆっくりと紡がれるので、ふわっと柔らかな感触。ところどころ太さや色も異なり、とても温かみのある糸。絵の具がついてしまっても、それもまた味になっていいなと思いました。ぜひ手に取って、感触を楽しんでくださいね。
そして、次は封筒=持って帰っていただくための袋。
明日はどんな色に出会えるのかな。楽しみです!
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2020.05.28 17:10